日本の夏とビールの話
梅雨が明けて、日に日に暑さが増してきたこの季節。キンキンに冷やしたビールが美味しい夏がやってきました。
今日はそんな日本の夏とビールのお話を。
エールビールとラガービール
ビールは麦汁に含まれる糖を酵母が醗酵させ、アルコールを生成して作るお酒。副材料としてホップやフルーツなどが使われ、製法によってエールビールとラガービールに大別されます。
エールビールは常温〜やや高温で醗酵させるため、酵母が麦汁の表面に浮き上がる「上面醗酵」で作られるビールの総称。製造法は5世紀ごろに確立されました。エールビールは芳醇な香りと濃厚な味わいが特徴。ワインのように風味や複雑な味わいを楽しむ、飲みごたえのあるビールと言えます。イギリスやベルギー、北欧ではビールのことを「エール」と呼ぶほどエールビールが主流なようです。
ラガービールは低温で醗酵させるために酵母がタンクの底に沈澱する「下面発酵」で作られるビールの総称で、15世紀ごろにその製造法が確立されました。ラガービールはエールビールに比べて新しいビールになりますが、喉越しがよく、ごくごくとスッキリ爽快に飲めるのが人気で世界ではラガービールの方が多く生産されているそうです。
ピルスナービールの誕生と日本での普及
ラガービールはその製造法が確立されてから人気を博し、ヨーロッパ各国で製造されるようになりました。19世紀にはビール消費量世界一の国、チェコが軟水を使って下面発酵で作る「ピルスナービール」の製法を確立しました。このピルスナービールは、これまでの濃褐色で濁りのあるラガービールよりも透き通った美しい黄金色をしており、さらにホップの苦味とすっきりとした喉越しを楽しめると話題になりました。このピルスナービールは軟水地方で高温多湿な日本の風土と合っていた事もあり、日本に広く普及するようになったそうです。
日本のビールはほとんどがピルスナービールに分類されます。夏季限定で営業するビアガーデンの影響もあり、口当たりが爽やかで喉越しが良いピルスナービールを暑い夏に冷やしてゴクゴク飲む習慣が広まりました。
「日本の夏はビールが美味しい季節」なのは、ピルスナービールが日本の気候風土に合っているからなんですね。
クラフトビールの台頭
長らく日本のビールは大手メーカーが製造するピルスナービールが主流でした。1994年以降、ビール生産の規制が緩和されて年間に生産しないといけないビールの量が大幅に減ったおかげで、エールビールやラガービールを作るブリュワーが増えてきました。こういうビールは一般にクラフトビールと呼ばれています。
今ではいろんなクラフトビールメーカーが土地柄が現れるエールビール、ラガービールを生産するようになり、ビールの色や苦味、香りなど多種多様なビールが飲めるようになりました。
スッキリごくごく飲むピルスナービールは、その冷たさと黄金色を楽しむためにガラスの器で、芳醇な香りや複雑な苦味・甘みを楽しむには、リムが閉じて最後まで香りを楽しめるワイングラスで、とビールの種類に合わせて器を変える人も多くなってきました。
RIVERETの竹ヴェッセルでビールを
RIVERETの竹ヴェッセルは香り高いエールビールを最後まで美味しく、かつきめの細かい泡を崩さないように設計されています。クラフトビールはその特徴によって常温ややや温めで飲んだほうが美味しいものも。竹で作られたうつわはビールが美味しい温度を最後まで保ち、その温もりのあるデザインがより、料理とビールを美味しく楽しむことができます。
日本の夏はビールが美味しい季節。ピルスナービールだけでなく色んなビールを試してみて、旬の食材に合う、自分のお気に入りの味を見つけてみませんか。
- タグ:
- ビール