なぜビールは泡立つの?泡に隠された秘密と美味しく飲む方法を解説
「とりあえずビール!」という言葉が良く使われるように、ビールは生活の中に溶け込み、最も親しまれているアルコール飲料といっても過言ではありません。仕事終わりや、お風呂上りの1杯を楽しむために、「1年中冷蔵庫の中にビールが欠かせない」という家庭も少なくないようです。
普段はあまり飲まない人でも、夏が近づいてビールのCMが多くなると、思わず目を奪われてしまう方もいるのではないでしょうか。ビールの魅力は何といってもその芳醇な泡です。しかし、良く考えると他にもたくさん炭酸飲料がある中で、ビールの泡が特別に感じられるのはなぜなのでしょうか。
そこで、今回はビールの泡の秘密を解き明かしながら、より美味しくビールをいただくためのポイントを解説していきます。
ビールの泡の秘密
泡には、ビールを美味しくするための3つの大切な役割があります。
1柔らかな口当たりによって炭酸のパンチのある味わいとのメリハリを与えること
2中身が空気に触れて風味の失われるのを防ぐこと
3炭酸ガスを逃さず美味しさを持続させる役割があること
炭酸を利用した飲み物は、他にもたくさんありますが、ビールのように泡が持続するものは非常にまれです。その秘密は、ビールの成分にありました。炭酸飲料をコップに注ぐとその勢いで大きな泡が立ち、続いて炭酸の小さな泡が液体中から上ってきます。通常であれば液体表面から気体となって抜けていくため、泡が失われますが、ビールの場合には成分が泡を包み込み、きめ細かい泡が層を成すのです。
泡を消失させない役割を果たすのが、麦芽に含まれるタンパク質とホップの中の苦み成分。ビールの持ち味である炭酸ガスの泡とホップの苦みには、このような美味しい関係がありました。
ビール好き必見「三度注ぎ」
おうちで飲むビールを美味しくする必殺技が今注目の「三度注ぎ」です。缶ビールでも美味しい泡ができるので、ぜひ覚えておきたい技です。古くからビールが飲まれてきたドイツやチェコの泡にこだわる文化の中で、長年伝えられてきた注ぎ方ですが、最近になって科学的な研究結果が得られています。
それによると、泡立てながら時間をかけて注ぐことで香り成分が活性化し、ふたの役割をする泡がより強固になるようです。次の美味しく飲むポイントの項で、具体的な方法を紹介していきましょう。
ビールをより美味しく飲むために
ビールをより美味しく飲むためのポイントは、次の3つです。
・冷やす温度
ビールはぬるくても冷たすぎても、その味わいが落ちるといわれます。適温は好みにもよりますが、6~8度程度です。特に、夏はやや低め、冬はやや高めを意識するとよいでしょう。冷蔵庫であれば、飲む3~4時間前から冷やしておくとベストです。暑い季節には、グラスも一緒に冷やしておきましょう。
・グラスの洗い方
美味しくビールを飲むためには、汚れたグラスは感心できません。ビールの泡の良し悪しは、「グラスの洗い方で決まる」とまでいわれます。ビールの泡は、油分を嫌うので、できれば専用のスポンジを使い、洗剤残りがないよう、すすぎは徹底的に行いましょう。洗った後に、ふきんなどで拭いてしまうと、繊維やホコリが残る場合があります。
風通しを良くするため、ザルなどに伏せて自然乾燥させます。ビールを注ぐ前には、水分が残っていないか、確認しましょう。
・三度注ぎの実践
- ビールグラスのできるだけ高い位置からビールを注ぐ。最初はゆっくり、そこから勢いをつけてなるべく泡立つように意識する。泡がいっぱいになるまで注ぐ
- 2分ほど待って泡がグラス半分になったところで、グラスのふちから泡を消さないようにそっとビールを足していく。目安は泡がグラスから1㎝程度盛り上がるまで
- 泡がグラスの内側に落ちる前に残りのビールを注ぐ。このときに泡を消さないように注意する。泡がグラスから2㎝程度盛り上がったら完成
泡が長く持続すると同時に、飲み始めから飲み終わりまで豊かな味の変化を楽しむことができます。ちょっと我慢が必要ですが、ビール好きならば一度は試してみたいものですね。美味しいビールの泡の比率は3:7。黄金比を目指してチャレンジしていきましょう。
まとめ
・泡には、ビールを美味しくするための大切な役割がある
・ビールの泡が保てるのは、成分が気泡を包み込むから
・美味しい泡の秘訣「三度注ぎ」
・美味しいビールには事前の準備と辛抱が必要
ビールは、身近な飲み物ですが、それだけに奥が深いです。世界中で愛されているビールですが、今は日本国内でもさまざまな種類が販売されています。たくさんの種類を飲み比べするのも、ちょっとぜいたくな大人の楽しみです。美味しく飲むポイントを実践しながら、お気に入りの銘柄を探してみてはいかがでしょうか。
ぜひRIVERETでビールを
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